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看板やラッピングなどのグラフィックスを長期間美しく保つために欠かせないのが「オーバーラミネートフィルム」です。今回は、3M™ スコッチカル™ グラフィックフィルム用のオーバーラミネートフィルム「IJ4116N」「IJ4117N」について、特徴・製品仕様・耐候性・施工時の注意点までまとめてご紹介します。
3M™ IJ4116N/IJ4117N/ IJ4116N2/IJ4117N2 オーバーラミネートフィルムとは
3M™ IJ4116N/IJ4117N は、3M™ スコッチカル™ グラフィックフィルムの表面に貼り合わせて使用する「オーバーラミネート(表面保護)フィルム」です。表面に特殊コーティングを施した塩化ビニル系樹脂フィルムに、透明な粘着剤を組み合わせた構成で、紫外線からグラフィックスを保護しながら、インクの脱落防止や物理的な強度の向上に役立ちます。屋外看板・壁面サイン・車両ラッピングなど、長期間屋外に掲示されるグラフィックスの保護フィルムとして広く使われています。
「IJ4116N」と「IJ4117N」は基本構成は同じですが、表面の仕上げ(光沢の種類)が異なります。詳しい違いは後述します。
また、仕様変更により「IJ4116N」「IJ4117N」から「IJ4116N2」「IJ4117N2」への移行期となっています。
IJ4116N/IJ4117Nの特長
- 紫外線からグラフィックスを保護:紫外線吸収率98%以上で、インクの退色や劣化を抑制します。
- 防汚性に優れる:表面の特殊コーティングにより汚れが付着しにくく、長期使用でも美観を保ちやすい設計です。
- 耐久性・強度の向上:オーバーラミネートすることでグラフィックフィルム自体の強度が増し、施工性・剥離性も向上します。
- メンテナンス性の向上:汚れが付きにくいため、清掃などの手入れがしやすくなります。
IJ4116N(グロス)とIJ4117N(マット)の違い
IJ4116NとIJ4117Nの最大の違いは「光沢タイプ」です。仕上がりの印象や用途に合わせて選ぶことができます。
| 品番 | 光沢タイプ | 仕上がりの特徴 |
|---|---|---|
| IJ4116N | グロス(光沢) | 表面に光沢があり、発色が鮮やかに見えやすい仕上がり |
| IJ4117N | マット(艶消し) | 光の反射を抑え、落ち着いた質感に見える仕上がり |
製品仕様一覧
3M公式の製品説明書に基づく主な仕様は以下の通りです。導入検討時の参考にしてください。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| サイズ | 1350mm×50m/1350mm×30m |
| コア | 3インチコア(内径77mm) |
| 材質 | ポリ塩化ビニル |
| フィルム色 | 透明 |
| 光沢 | グロス:IJ4116N/マット(艶消し):IJ4117N |
| 剥離紙 | 両面ポリエチレンコート紙 シリコーン処理ライナー |
| 厚さ(代表値) | 0.08mm(粘着剤含む) |
| 重量(代表値) | 97g/㎡(剥離紙含まない) |
| 粘着剤 | アクリル系(感圧型透明) |
| 紫外線吸収率 | 98%以上 |
| 貼り付け温度 | ラミネート環境気温15℃以上 |
※数値は3M社の試験結果に基づく代表値であり、保証値ではありません。
対応するスコッチカルグラフィックフィルムと耐候性
IJ4116N/IJ4117Nは、組み合わせるベースのグラフィックフィルムによって耐候性の目安が異なります。日本国内の標準的な環境下で屋外垂直サインに施工した場合の目安は以下の通りです。
| 推奨スコッチカルグラフィックフィルム | 耐候性の目安 |
|---|---|
| IJ280/IJ180-10/IJ180mC-10/IJ180Cv3-10XR | 約6年 |
| IJ180mC-114/IJ180mC-120 | 約5年 |
| IJ5331N/IJ5331NCv3 | 約5年 |
| RG5332R | 約5年 |
| RG5333R | 約5年 |
※耐候性の数値は3M社の試験結果に基づく予想年数で、保証年数ではありません。インク自体に耐候性がある場合に限り、施工方法や使用環境によって短くなる場合があります。
施工時の注意点
オーバーラミネート加工・施工時には、以下のポイントに注意すると仕上がりが安定します。
- オーバーラミネート時に極端なテンションをかけすぎないこと。
- 圧着が弱いとシルバリング(微小な空気の巻き込みによる白化)や施工後のふくれが発生する場合があるため、圧力を上げて再度ローラーを通すか、ヒートラミネーターで50℃前後の熱をかけて圧着すること。
- グラフィックスを鋭角な形状にカットしないこと(オーバーラミネートフィルムのみが剥離する可能性があります)。
- オーバーラミネートにより色相がわずかに変化することがあるため、事前に発色を確認の上で印刷色を設定すること。
- 溶剤・ラテックスインクジェットプリンタで出力したフィルムにラミネートする場合は、室温で最低1日程度乾燥させてから加工すること。
- 同一サインには同じロットのフィルムを使用すること(ロットが異なると色や光沢に差が出る場合があります)。
メンテナンス・保管方法
長期間きれいな状態を保つために、お手入れと保管にも気を配りましょう。
- グラフィックス表面の洗浄は、研磨剤を含まない中性洗剤で水洗いするのが基本です。
- 汚れがひどい場合はIPA(イソプロピルアルコール)での表面清掃が可能ですが、端部にIPAが残留しないよう十分に拭き取ってください。
- 砂や土などの汚れが付いたまま拭くとフィルムに傷がつくことがあるため、先に水洗いで粒子を除去してから軽く拭き取りましょう。
- フィルム剥離のリスクがあるため、高圧洗浄機の使用は避けてください。
- 未使用品は開梱前の状態で、直射日光の当たらない乾燥した屋内(温度38℃以下・湿度20〜70%)で保管し、結露やロールの重ね置きを避けてください。
- 保存期間は1年間ですが、購入から半年以内の使用が推奨されています。
まとめ:IJ4116N/IJ4117Nがおすすめのシーン
3M™ IJ4116N/IJ4117Nは、屋外看板・壁面グラフィックス・車両ラッピングなど、紫外線や汚れにさらされやすい環境でグラフィックスの美観を長く保ちたい場合に適したオーバーラミネートフィルムです。光沢仕上げを求める場合はIJ4116N、落ち着いたマット仕上げを求める場合はIJ4117Nを選ぶとよいでしょう。組み合わせるベースフィルムによって耐候性の目安が変わるため、用途や設置環境に合わせて最適な組み合わせを検討してください。













