私たちは普段、街を歩いたり車で移動をしたりする中で、たくさんの看板を目にしています。
しかし、日々多くの看板を見ていても、いざ自分が看板を作ることになり、どんな看板にしようか……とイメージを膨らませる中で、「何色にしよう？」という悩みは、避けて通れないものではないでしょうか。
看板ですから、何はともあれ目立つように作りたいと多くの人が思うことでしょう。ただ、目立つために奇抜な色やチカチカする蛍光色を使うのがよいかというと、それは少し違う気がします。
今回は、どんなお店にどんな色の看板が合うのか、いろいろな店舗を思い浮かべながら、考えてみたいと思います。
目次
それぞれの色がもたらすイメージ
赤、黄色がもたらすイメージ
ファストフード店や定食屋など、飲食店の看板の色は、赤、オレンジ、黄色に黒文字といった組み合わせが多いかと思います。これは、これらが食欲増進効果が期待できる色であり、元気のよさや、エネルギーにあふれた健康的なイメージを与えることと関係があるでしょう。同時に、こうした色は食べ物をおいしく見せる効果もあるので、飲食店では看板だけでなく、お店のロゴマークやメニュー表にも頻繁に使われています。
暗い夜道で、居酒屋のオレンジ色の看板や赤い提灯を見かけると、「おいしそうだな」「温まりそうだな」とつい立ち寄って行きたくなるのも、色が私たちに働きかける効果が、しっかり計算されていると言えます。
緑、青がもたらすイメージ
緑は、山や森などの自然を連想させる色で、癒やしやリラックス効果が期待できます。薬や衛生用品、健康食品など、身体に直接かかわるものを売る店舗では、お客様に安心感を持ってもらうためにも、緑が使われた看板を多く見かけます。
そして青は、まず、歯科をはじめとした病院、そして学習塾の看板でも多く見かける色です。青は気持ちを落ち着かせ、集中力を高める効果があると言われる色ですので、これらの場所にぴったりですね。
そして、青を少しやわらかくした水色の看板だと、クリーニング店なども連想できるのではないでしょうか？白と組み合わせることで、より清潔感が出て、さわやかで印象のよい看板に仕上がります。
ピンクがもたらすイメージ
ピンクは保育園や産婦人科などで好まれる色です。かわいらしい、女性らしいといった印象が強く、子どもや女性が多く出入りする場所で見ることが多いのではないでしょうか。
やわらかい色なので、看板には向かないのでは？と思う方もいるかもしれません。しかし、ピンクだから出せる親しみやすさ、やさしさは、この色の強力な武器です。組み合わせる色とのコントラストに注意し、効果的に使いましょう。
黒がもたらすイメージ
かっこいい色！ というと、まず黒が思い浮かぶかもしれません。男性的なイメージも強い色です。おしゃれな洋品店などでも人気がある色ですね。
また黒は、飲食店でも、高級感を演出したいときによく使われます。焼酎やワインなど、高そうなお酒の写真が、黒の背景にばっちり配置された看板やチラシを見ることも多いのではないでしょうか。
他の色を引き立てる色でもありますので、刺身など、食材の色をよく見せたいときの背景にも向いています。
色にも弱点がある
このように、色にはとても強い力があります。
しかし、色の力は万能ではありません。たとえば、青は人を冷静にする効果が望めますが、反面、冷たい・固いといったマイナスイメージにもなり得ます。そのため、小学生の出入りも多い学習塾では、青をベースに黄色やオレンジなどの明るい色をポイントで使用し、冷たくなりがちな印象をやわらげるなどの工夫がされています。
また、赤や黄色の暖色系は、多用し過ぎると落ち着かない雰囲気になってしまうこともあり、高級なイメージを出したいときには逆効果になりかねません。では、高級感なら黒かというと、黒は喪の色でもありますので、縁起を担ぐ場面では敬遠されることもあります。
それぞれの色にはそれぞれのメリット・デメリットがあり、組み合わせて複数の効果を狙ったり、デメリットを補ったりすることもできます。色は、看板作りで悩むところでもありますが、面白い部分でもあるのです。
色から「そこにあるもの」が想像できる
私たちは、目にする看板の色で、無意識にその場所の印象を決めていることも多いのではないでしょうか。例えば、赤い看板を見かけて反射的に「ラーメン屋がある！」と思ったり、青いシートが貼られた窓を見て「あそこに塾があるんだな」と想像できたり……。
逆に言えば、色をうまく使うことは、目的を持つ人を誘導するときにとても役立つとも言えます。お店の「顔」になる看板の色を決める際は、お客様がその場所に何を求めているのかを想像し、汲み取ることが大切です。
まとめ
いつも街で見かける看板も、なぜこの色をしているのか？ どんなイメージを持ってほしいのか？ を考えてみると、新しい視点で見ることができてたいへん面白いです。
きっと、看板を考えた人の、たくさんの思いや工夫を感じることができると思いますよ！
ちなみに、表示面だけでなく看板本体の色にもこだわりたい方には、こんな看板もおすすめですよ。
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この機会にぜひ、看板の内容だけではなく「色」にも注目してみてくださいね。
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