看板のラミネート加工|看板を傷や劣化から守る加工方法について

看板のラミネート加工とは? 看板を傷や劣化から守る加工方法について

近頃の看板は手書きのものはめっきり少なくなり、印刷したメディア(シート)を貼る、表面に直接印刷する、シートを切り抜いて転写するものが大半となりました。
その中でも糊付きのメディア(シート)に印刷して貼り付けるものが、看板で一番メジャーな形になります。

しかしただ印刷するだけでは、すぐに傷や汚れ、またインクの劣化で見栄えが悪くなってしまいます。そこで、印刷物を劣化しにくくするため「ラミネート加工」という工程を行うのが一般的ですが、みなさんはラミネート加工がどのようにして施されているかご存知でしょうか?

今回は、平看板を作る際のラミネート加工がどのように行われているかご紹介します。

ラミネート加工に使われるフィルムたち

ラミネート加工に使われるフィルムたち

まず、ラミネート加工に使われるフィルムについて紹介します。
ラミネート加工をする目的は、主に印刷物を傷や劣化から守るためであることが多いです。印刷物を長持ちさせるための耐候性をもったフィルム(主に塩ビ)を印刷物に圧着して使われるのですが、同じ目的でも、表示面がマット調のものとグロス調のものがあったり、短期間向け~長期間向けのものがあったりと、いくつかの種類があります。

また、こうした印刷物の保護のほか、印刷物にホワイトボード機能や蓄光機能を持たせる、また印刷面を接着できるようにするといった役割を持つフィルムも存在します。

基本的なラミネートフィルムの選び方

使用期間がどれくらいのフィルムを選ぶかは、用途によって自ずと決まってくると思いますが、表面のタイプはどのように選べばよいのでしょうか?

グロスとマット、どちらでも機能面に違いはないので、見た目の好みで選んでよいのですが、サインシティでは特に指定がない場合はマット調のフィルムをかけています。これはどちらかを基本とすることで作業効率をあげる意図もありますが、マットのラミネートがデザインを選ばないということも理由にございます。
グロスはピカピカとしたツヤが出て目立つのですが、光の当たり具合によっては、反射してデザインを見づらくしてしまうこともあります。マット調は反射光が柔らかく、印刷物自体を邪魔しませんので、特にこだわりが無い限りマット調をおすすめしています。

マット調ラミネートフィルムの一覧グロス調ラミネートフィルムの一覧

その他のラミネートフィルム

特別なフィルムとしてよく使われるのが、ホワイトボード機能をもたせるためのラミネートフィルムです。これは他と違いPET製のラミネートフィルムで、表面がホワイトボードの仕様になっており、ホワイトボードマーカーで書いた後、消すことができるフィルムです。
商品としては、トーヨーケムのS-114 ホワイトボード用ラミネートフィルムなどを扱っています。

他にも

  • 路面に貼って使用するための、摩耗に強いマット調のフロアラミネート
  • 印刷面を接着面にすることができる両面粘着のラミネート、ダブルフェイス

などを使い分けてお客様の要望に合った商品を制作しています。

ラミネート加工の作業方法

ミネート加工専用の機械、ラミネーター

ラミネート加工専用の機械、ラミネーターを使って作業をしていきます。

まず、印刷物の使用目的に合わせたラミネートフィルムを選び、ラミネーターに取り付けます。
そして、ラミネーターのゴム製のローラーでラミネートフィルムを挟み、フィルムを圧着しながら流し、そこへメディアを差し込むことで、ラミネートフィルムとメディアを圧着します。

この際ラミネーターの機種によっては、ローラーのゴムの内側に熱線が通っていてフィルムを温めながらラミネートをかけられるものもあります。
熱と言っても30℃前後ですのでほんのわずかですが、フィルムを温めて柔らかくすることでラミネートをかける際に気泡が入ったりするリスクが減り、綺麗に圧着できるので、より早くローラーを回してラミネート加工をすることができます。

ラミネート加工とアンダーフィルムについて

基本的に、ラミネートフィルムの幅はメディアよりほんの少し広くなっているので、印刷したメディアをまるごとラミネート加工できます。例えばよく印刷に使われる塩ビメディアが1370mm幅なのに対してラミネートフィルムが1380mm幅といった具合になります。

しかし、このままではラミネートフィルムの粘着面が一部メディアからはみ出てローラーについてしまいます。
そこでメディアの下にアンダーフィルムという薄いポリプロピレン製のフィルムを敷き、メディアと一緒に通します。これはラミネートフィルムの粘着面を受け止めるために使われるため、幅が1410mmとラミネートフィルムよりさらに広くなっています。
ただしラミネートをかけ終わったら不要になってしまうため、メディアから切り離してしまいます。

ラミネート加工とアンダーフィルムについて

ラミネート加工では、ラミネートフィルムをメディアにまっすぐ・平行にかけるのが理想ですが、メディアを差し込む際に微妙な傾きがでてしまうと少しずつ右か左によってしまいます。そのため、慣れないうちは少量を何回かに分けてラミネート加工しています。10m以上を一度にかけるとなると、それなりの経験が必要になってきます。

特殊な幅のラミネートフィルム

さきほど、ラミネートフィルムはメディア幅より大きいのでメディアをまるごとラミネート加工できると紹介しましたが、例外もあります。
例えばホワイトボード仕様のフィルムは1220mm幅、フロア(床用)ラミネートフィルムは1250mm幅という規格になっているので、それらを使う場合は印刷物のサイズに気をつけなければいけません。

もっとも、ホワイトボードに使われる板の規格サイズは910×1820が基本で、大きなものでも1200×2400なので、ラミネートの幅を越えてしまうせいで作れないということはほぼありませんが、複数のホワイトボードを作る際にまとめて印刷するときには注意する必要があります。

また路面シートを作る際は、どんなにギリギリを攻めても短辺1240mm幅が限界になります。

まとめ

いかがでしたか?
日頃目にしている看板がどのように作られているか、そのうちの一つであるラミネート加工についてご紹介させていただきました。
ラミネートフィルムを知り、使いこなすことで、ただ印刷物を作るだけでなく作りたいものの幅を広げることができるのです。

以下の記事では、ラミネートフィルムの見た目の違いや組み合わせ方について詳しく紹介していますので、合わせてご覧ください

ラミネートフィルムとは?看板業界の「ラミネート」の役割と素材の種類について説明します

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