スタンド看板の表示面製作 特徴と選び方【手書き・マーキングフィルム・塩ビフィルム】

スタンド看板の表示面製作 特徴と選び方【手書き・マーキングフィルム・塩ビフィルム】

前回の記事では、スタンド看板の表示面製作の基本となる
(1)看板職人による手書き・手描き
(2)着色されたシール(マーキングフィルム)をカットして貼り込む
(3)印刷したポスターを貼り込む
の3パターンについてご紹介しました。

前回の記事

スタンド看板の表示面製作 基本の3パターン【手書き・マーキングフィルム・塩ビフィルム】

前回もお伝えしたとおり、看板が看板としての役割を担うには必ず表示面の製作が必要ですが、デザインによって製作方法に向き不向きがございます。
今回は、それぞれの製作方法の特徴と違い、選び方を説明していきます。

手書きによる表示面製作の特徴

あまり一般的ではなくなった手書きの表示面製作ですが、それでも特徴のある木の看板やお品書きを書く時には、温かみのある手書きでの表示面製作を希望されることがあります。看板職人の手作業で一枚ずつ製作していくために、量産、短納期には不向きであり、費用としても一番高くなる可能性があります。

マーキングフィルムの貼り込みによる表示面製作の特徴

マーキングフィルムの貼り込みによる表示面製作の特徴

マーキングフィルムによる表示面製作の1番の特徴として、デザインに対する向き不向きが大きいという点があります。

はっきりとしたデザインが得意

マーキングフィルムは単色のシールなので、看板のベタの背景色や文字を製作するのに適しています。大きな文字をメインとした看板や、単色の組み合わせによるはっきりとしたデザインに向いています。
しかし、色数の多いデザインを表現しようとすると、使用するマーキングフィルムの種類も増えるため、費用がかさんでしまいます。また、単色のシールという特性上、グラデーションを用いたデザインや写真を表現することはできません。
また、マーキングフィルムは、カッティングプロッタというサイン用の機械でフィルムに刃をいれて、デザインどおりの輪郭に切れ目を入れていきますが、デザインの余分な部分のフィルムは手作業で取り除きます(この作業を「カス取り」と呼びます)。そのため、あまりに細かい文字、複雑な図柄の製作をすることには適していません。

完成までに人手が必要となる工程が多い

カッティングプロッタでカットし、「カス取り」の作業を行ったら、最後に「アプリケーション」や「リタック」と呼ばれる転写シートをマーキングフィルムの上に貼り付けます。これによって、デザインどおりに仕上がったマーキングフィルムが台紙(離型紙)からきれいに持ちあがるようになります。こうして、できあがった表示面を看板の面板に移す準備が整います。

このように、マーキングフィルムの表示面は、デザイン面に関してはシステムで製作するため、品質が安定しているという利点があります。その一方で、完成までに人手が必要となる工程も多く含んでおり、手書きほどではありませんが、量産、短納期という点はやや難しい製作方法でもあります。

塩ビフィルムのポスター貼り込みによる表示面製作の特徴

塩ビフィルムのポスター貼り込みによる表示面製作の特徴

ポスター貼り込みによる表示面製作は、3パターンの表示面製作方法の中で、一番多くの方が選ばれる方法です。

グラデーションや写真の表現が可能

インクジェットプリンタで出力したインクジェットメディアを板面に貼り付けて表示面を製作する方法は、単色のマーキングフィルムでは製作することが不可能なグラデーション、写真、細かい図柄等のデザインの表現を可能にします。
ただ、インクジェット出力も万能ではなく、プリンタやインクの特性上、表現ができない色が存在します。例えば金色・銀色などの特色と呼ばれるカラーがそれにあたります。また、蛍光色のようなビビットな色味の表現が難しかったりします。(ビビットカラーの表現はマーキングフィルムが得意としています)

画面上と印刷物では色味の差が出るため、必要に応じて色合わせを行う

また、パソコンやスマホの画面で見る色とプリントしたものの色味は、完全には一致しないという点は注意が必要です。そのため、お互いの基準となる色をもとに、色合わせの作業が必要になる場合もあります。
例えば大手企業のコーポレートカラーなどを表現する際は、色合わせを何度も繰り返し、サンプルを確認してもらい、細心の注意を払って精度をあげていきます。こうした色合わせの作業には時間も労力もかかるため、必然的に費用に跳ね返ってくることになります。

とは言っても、色に関する特別厳しいルールがある場合でなければ、印刷用に作られたCMYKカラーのデータをそのまま出力をする方法をお薦めします。イメージからかけ離れた仕上がりになることは少ないと思われますし、納期的にもコスト的にも他の製作方法よりも有利ですよ!

まとめ

いかがでしたか?
前回から2回にわたり、看板の表示面製作についてご紹介しましたが、参考になりましたでしょうか。
看板製作は、あまり頻繁にあることではないと思いますので、不慣れな方がほとんどだと思います。
サインシティでは看板の材料販売からデザイン・製作までを自社で一貫して行っておりますので、よく分からない事、不安な事がございましたら何なりとご相談くださいね。

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