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看板用フィルムや車両ラッピング用フィルムなど、3M™グラフィックフィルムの製品名を見ていると「コントロールタック™」「コンプライ™」といった言葉を目にすることがあります。これらは3Mが開発した粘着剤の種類を示すもので、表面の構造によって「位置決めのしやすさ」と「気泡(エア)の抜けやすさ」が異なります。
本記事では、3Mグラフィックフィルムに採用されている5種類の粘着剤の構造と特徴を、メーカー資料の図解内容に基づいて整理し、それぞれの対応製品まで分かりやすく解説します。フィルム選定の参考にぜひご活用ください。
3Mグラフィックフィルムの粘着剤を構成する2つの要素
3Mグラフィックフィルムの粘着剤は、粘着剤層の表面構造によって主に2つの機能要素に分けられます。
- ガラスビーズ:粘着剤層表面にある微小なガラスビーズが、初期接着時にフィルムが被着体へすぐに貼り付いてしまうのを防ぎます。これにより大面積のフィルムでも位置合わせ・位置決めが簡単に行えます。
- エア抜き溝:粘着剤層表面に設けられた微細な溝で、フィルムと被着体の間に入り込んだ空気をこの溝に沿って外へ排出します。これにより広い面積や複雑な面への施工を迅速に行うことができ、施工時間の短縮につながります。
3Mのグラフィックフィルム用粘着剤は、この「ガラスビーズ」と「エア抜き溝」をどちらも備えるタイプと、いずれか一方のみを備えるタイプに分かれます。次の章から、5種類それぞれの構造を見ていきましょう。
3M™ コントロールタック™ コンプライ™ 粘着剤の特徴
「コントロールタック™ コンプライ™ 粘着剤」は、粘着剤層表面にガラスビーズとエア抜き溝の両方を備えたタイプです。ガラスビーズによって大面積のフィルムでも位置決めが簡単に行え、さらに微細なエア抜き溝が四方に通っていることで気泡をスムーズに排出できます。そのため、広い面積や複雑な面への施工を迅速に行うことができ、施工時間の短縮が可能です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 表面構造 | ガラスビーズ + エア抜き溝(四方) |
| 特徴 | 位置決めしやすく、広い面積・複雑な面でも迅速に施工できる |
| 主な対応製品 | IJ280 / SV480mC / 40Cシリーズ / IJ180mCシリーズ / PL50mC / 48C-20R / 780mC-10R |
3M™ コントロールタック™ コンプライ™ 粘着剤 Ver.3の特徴
「Ver.3」も、コントロールタック™ コンプライ™粘着剤と同じくガラスビーズとエア抜き溝の両方を備えたタイプです。粘着剤層表面の微小なガラスビーズにより大面積でも位置決めが簡単に行え、さらに微細なエア抜き溝に沿って気泡を排出できるため、広い面積や複雑な面への施工を迅速に行うことができ、施工時間の短縮が可能です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 表面構造 | ガラスビーズ + エア抜き溝 |
| 特徴 | 位置決めのしやすさとエア抜き性能を両立 |
| 主な対応製品 | IJ180Cv3-10XR / ER500 |
3M™ コントロールタック™ 粘着剤の特徴
「コントロールタック™ 粘着剤」は、コンプライ™系とは異なりガラスビーズのみを粘着剤層表面に備えたタイプです。ガラスビーズが初期接着時にフィルムの貼り付きを防ぐことで、大面積のフィルムでも位置決めが簡単に行えます。コンプライ™系のようなエア抜き溝は備えていないシンプルな構造です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 表面構造 | ガラスビーズのみ |
| 特徴 | 大面積でも位置決めが簡単 |
| 主な対応製品 | IJ180-10 / AF1000 / IJ680-10 |
3M™ コンプライ™ 粘着剤の特徴
「コンプライ™ 粘着剤」は、コントロールタック™系とは異なりエア抜き溝のみを粘着剤層表面に備えたタイプです。微細なエア抜き溝が四方に通っており、この溝に沿って気泡を排出できるため、広い面積や複雑な面への施工を迅速に行うことができ、施工時間の短縮が可能です。ガラスビーズによる位置決め機能は備えていません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 表面構造 | エア抜き溝のみ(四方) |
| 特徴 | 広い面積・複雑な面でも気泡を排出しながら迅速に施工できる |
| 主な対応製品 | IJ5341CF / PF001C / IJ5323C / IJ1220CF / IJ56Cシリーズ / IJ1220C / IJ4232C |
3M™ コンプライ™ 粘着剤 Ver.3の特徴
「コンプライ™ 粘着剤 Ver.3」も、コンプライ™粘着剤と同じくエア抜き溝のみを備えたタイプです。微細なエア抜き溝に沿って気泡を排出できるため、広い面積や複雑な面への施工を迅速に行うことができ、施工時間の短縮が可能です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 表面構造 | エア抜き溝のみ |
| 特徴 | 気泡を排出しながら広い面積・複雑な面へ迅速に施工できる |
| 主な対応製品 | IJ5331NCv3 |
5種類の粘着剤を比較|一覧表でわかる違い
ここまで紹介した5種類の粘着剤の構造の違いを一覧表にまとめました。製品選定の際の比較にお役立てください。
| 粘着剤タイプ | ガラスビーズ(位置決め) | エア抜き溝(気泡排出) | 主な対応製品例 |
|---|---|---|---|
| コントロールタック™ コンプライ™ | ○ | ○(四方) | IJ280、SV480mC ほか |
| コントロールタック™ コンプライ™ Ver.3 | ○ | ○ | IJ180Cv3-10XR、ER500 |
| コントロールタック™ | ○ | – | IJ180-10、AF1000、IJ680-10 |
| コンプライ™ | – | ○(四方) | IJ5341CF、PF001C ほか |
| コンプライ™ Ver.3 | – | ○ | IJ5331NCv3 |
用途・施工シーンで選ぶ3Mグラフィックフィルムの粘着剤
粘着剤タイプは、どの機能を重視するかによって選び方が変わります。
位置決めのしやすさを重視する場合
大面積のフィルムを貼る際に位置を合わせ直したい場合は、ガラスビーズを備えた「コントロールタック™」系(コントロールタック™単体、またはコントロールタック™ コンプライ™)が適しています。
気泡(エア)の排出を重視する場合
広い面積や複雑な面への施工で気泡の排出を重視したい場合は、エア抜き溝を備えた「コンプライ™」系(コンプライ™単体、またはコントロールタック™ コンプライ™)が適しています。
位置決めとエア抜きの両方を重視する場合
位置決めのしやすさと気泡排出のしやすさの両方を重視したい場合は、ガラスビーズとエア抜き溝の両方を備えた「コントロールタック™ コンプライ™ 粘着剤」または「同 Ver.3」が選択肢になります。
まとめ:3Mグラフィックフィルムの粘着剤選びのポイント
3Mグラフィックフィルムの粘着剤は、「ガラスビーズ(位置決めのしやすさ)」と「エア抜き溝(気泡排出のしやすさ)」という2つの機能要素の組み合わせによって、コントロールタック™系・コンプライ™系・その両方を備えたコントロールタック™ コンプライ™系に分かれ、それぞれにVer.3が用意されています。施工する面の形状や面積、重視したい作業性に合わせて粘着剤タイプを見極めることが、フィルム選びの第一歩です。
製品選定にお悩みの際は、本記事の比較表を参考に、用途に合った3Mグラフィックフィルムをぜひ見つけてみてください。










