看板・サインの業界用語
看板・サイン業界で使われる言葉を50音順にしました。
お客様との打ち合わせでは極力わかりにくい言葉や専門用語は使わないようにしていますが、思わず出ちゃうこともあります。
随時追加更新いたしますのでお楽しみに。
「あ行」
「相番」
他の業者や職種と一緒に現場施工を行うこと。看板工事の場合、建築現場の一番最後に行われることが多く、相番の多い職業です。現場では譲り合いの精神で。
「アイボルト」
頭部が〇型になったボルト。袖看板や大型のファサード看板に取付てクレーンで吊り上げするのに使います。看板取付後は普通のボルトに付け替えて雨水の侵入などを防ぎます。
「アウトライン」
外周線の事ですが、仕事上よく使う意味として、「文字の図形化」を指します。
特にイラストレーター(後述)などのデザインソフトでデータを作成、ご支給いただく場合、文字のアウトライン化をしていないと、いわゆる「文字化け」の原因になります。文字をフォントデータから図形データに変換することをアウトライン化と言います。
「アクリル」
看板、ディスプレイ業界で多く使われる樹脂板。内照式看板の表示面に使用したり、曲げ加工、接着加工などでディスプレイにも使います。またアクリル板を文字の形に切り抜いたサインもあります。とにかく多用途。
「アプリケーション」
カッティングシートを転写するのに使用するシートです。「リタックシート」とも呼ばれます。主に和紙状のものとフィルム状のものに分かれます。それぞれ粘着強度が多種ありますので、使用するカッティングシートに合わせたものを使いましょう。
「雨仕舞」
箱状の看板等を製作する場合、雨水の侵入は本体のサビなどの原因になりますので。庇を付けたり、コーキング処理などで雨を防ぐ処理です。
「あまじまい」「あめじまい」どちらの読み方も使われます。
「RC」
壁面の材質で、いわゆる「鉄筋コンクリート」しっかりした取付ができますので看板の施工には適しています。
「アルポリ」
看板用板材「アルミ複合板」の事を「アルポリ」と呼ぶことが多いです。これは「アルポリック」という三菱の商品が有名なためですので、厳密には他社製品を「アルポリ」と呼ぶのは間違いです。ちなみに「カッティングシート」も商品名です。
「アルミ」
アルミニウム合金のことで、現在の看板(電飾スタンド、突出し看板)などの本体材料の主流です。鉄に比べ軽くさびにくいので看板材料として多用されています。
「アンカー」
壁面や地面(コンクリート、モルタル)などに看板を取付ける際に使用する部材。主にボルトを付けるためのもので、雄型、雌型、また打ち込み式やケミカルなどたくさんの種類があります。
取付ける壁面や看板本体の重量に合わせて最適なものを選んで使用します。
「行燈」
内照式の看板の事をこう呼ぶ人は多いです。ファサードなどかなり大型の内照式看板も「行燈」と呼ぶのは違和感がありますが。
「イーゼル」
もともとは絵画を書くための三脚ですが、黒板やポスターパネルと合わせて店頭サインに使われます。材質も木製、アルミ製、スチール製と様々で、サイン用品として定着しています。
「糸面取り」
アクリルや木材などで看板、プレートサインなどを作る時、直線の部分が切りっぱなしですと手を切る恐れがありますので、若干角を削る処理です。「面取り」「C面」と同じですが、糸面取りという場合は「ほんの少し」だけ削る場合を指します。厳密な定義はありません。
「イラストレーター」
看板、サイン業界でイラストレーターと言えば、adobe社のデザインソフトillustratorです。たぶん90%以上の看板はイラストレーターを使ってデータ制作されています。
データの入稿もイラストレータで頂ければまず間違いございません。
「入りずみ」
建物内部などの壁と壁が合わさった部分に取り付ける化粧材。逆に箱形状の面と面の合わさった外側に取り付けるものは「出ずみ」と言います。
「インバーター」
蛍光灯のトランスの一種でグローランプなしで点灯し、フリッカー(チラツキ)が少なく、消費電力も少ないので、看板用の照明に適しています。
「ウェルダー」
高周波を使い、ターポリンなどテント地をつなぎ合わせる加工。生地自体を融着させるので強度も抜群
「A型看板」
スタンド看板のスタンダード。折りたたんで収納できるので、出し入れを頻繁に行う場合に便利です。大きさのバリエーションも豊富、また表示面もポスター入替え式や黒板、ブラックボード、ホワイトボードと使い方に合わせて色々お選びいただけます。
「ALC」
壁面材料。発泡コンクリート。大型の建物の外壁材としてよく使用されていますが、看板(特に大型の袖看板)の施工には不向きです。下地の鉄骨を狙うか、ボルトを貫通させるか、いつも取付には悩まされます。
「FF」
フレキシブルフェイスの略です。内照式看板の表示面として、アクリルにとって代わる材料として近年多用されています。アクリルのように板材ではなく、テント地のような部材で、割れることがなく、また分割することなく大面積の看板ができ、軽量ですので非常に扱いやすい材料です。
インクジェットで直接印刷も可能ですので製作コストも抑えられます。
「横断幕」
横に長い幕です。人によっては「バナー」「パラペット」などと呼ぶ場合もありますが、それぞれ他の意味と混同しやすいので「横断幕」と呼んだ方がわかりやすいです。
「か行」
「額縁」
看板(特に平看板)の飾り枠やフレームをこう呼ぶ場合もあります。
「カッティングシート」
主に塩ビ製の糊付きカラーフィルム全般をさしますが、「カッティングシート」も中川ケミカル社の商品名ですので、正しくは「マーキングフィルム」「マーキングシート」などと呼びます。中川ケミカルのカッティングシートは屋内用ですので、看板屋さんの中には屋内用シートを「カッティング」屋外用シートを「スコッチ」(スコッチカル:3Mの商品)と呼ぶ人もいます。
「カッティングマシン」
マーキングフィルムをカットする機械です。プロッターとも呼びます。イラストレータなどのベクトルデータをカットします。当然絵や写真などはカットできません。近年は小型のホビーユース用カッティングマシンも普及し「ステカ」「クラフトロボ」などの商品名で販売されています。
「角R」
四角形の隅を円形にカットすること。またそのR角度。30Rと言えば半径30mmの1/4円です。
スタンド看板や袖看板などのアクリル成形板の表示面も角Rが付いたものが多いので、データ作成時には確認が必要です。
「かね」
職人用語です。「か」にアクセントがあります。「かねが出てない」と言えば、お金の事ではなく「垂直がきれいに合ってない」という意味です。
「カーブサイン」
名古屋に本社のあるファースト社の販売するスタンド看板で、表示面が緩やかなカーブを描いているのが特徴です。グッドデザイン賞も受賞したセンスの良い看板で、あらゆる業種にご好評頂いております。
「ガラスフィルム」
文字通りガラス面に施工するフィルムですが、柄の入った装飾用の物、地震など災害時にガラスの飛散を防止するもの、また紫外線や熱線をカットしたり、防虫効果のある機能性フィルムもあります。
「カルプ」
発泡樹脂の一種で様々な厚みがあり、文字の形に切り抜くことで立体文字として使用します。
軽量で加工も簡単ですが、屋外で長期間使用すると劣化します。
「カンプ」
確認用原稿の事。印刷業界の方の言葉でしょうか。
「けれん」
塗装やシート貼りの際の下地処理として、現在の塗料や文字をはがし清掃すること。
ガラスフィルムやウィンドウサインの剥がし作業もけれんと呼ぶことがあります。地味でつらい作業のひとつです。
「建材シート・化粧シート」
糊付きの塩ビフィルムで、主に壁材として使われます。無地のカラーの他、木目調や金属調、カーボン柄のプリントが施されているものもあり、カーマーキングや内装、家具などにも使われます。3Mのダイノック、サンゲツのリアテックなどが有名です。
「懸垂幕」
縦長の広告幕です。ビルの壁面などに設置されることが多いです。ステンレス製の昇降装置を設置してあれば1人から2人で20m程度の懸垂幕が交換できます。
「現調」
現場調査の事です。前もって取付場所の下見をしたり寸法を測ってきたり、またオーナー様と打合せをしたりします。「現調」は看板業界ではほぼ共通語として通用します。
「こぐち」
アクリルや木材などをカットした断面の部分を指します。小口、木口とも書くようですが、小口が正解みたいです。木口は木材を切り出したとき、年輪の見える面をさす言葉です。
「骨白」
アクリル板の白をこう呼びます。普通の白です。
「コルトン」
電飾用の出力をこう呼ぶ人もいますが、本来は写真を印画紙ではなく光を透過するフィルムに焼いたものです。未だに電飾用のインクジェット出力もコルトンの発色にはかないません。
製作は高価ですが、特に仕上がりを気にするアパレルや飲食店の写真などはコルトンを使う場合も多いです。
「さ行」
「サイディング」
主に一般住宅の壁面によく使用されている外壁材です。厚みがあまりないので、看板の施工には不向きです。
「再剥離」
マーキングフィルムやインクジェットメディアなどで糊残りなく剥がせる粘着剤を使用しているものを指しますが、全く糊残りなく剥がせることを保障するわけではありません。再剥離粘着に対して、剥がすことを想定していない粘着剤は永久粘着と呼びます。
「三波長」
電飾看板用によく使用される蛍光灯です。一般の蛍光灯より明るい光が特徴です。見分け方として、品番の最後にEXとつく商品です。
「CMYK」
減法混色カラーです。インクジェット出力で看板を作る場合、CMYK(シアン、マゼンダ、イエロー、ブラック)のインクの混色でフルカラーを表現しますが、イラストレータなどでデータを作るとき、またモニタに写る色はRGB(加法混色)です。実際に印刷した時のイメージに近くデータを作成するのであれば、CMYKのカラーモードでの制作をお薦めいたします。
※それでも再現不可能な色はございます。
「周波数」
日本では富士川・糸魚川を境に東側が50Hz、西側が60Hzになっています。電飾看板などの蛍光灯や、ロータリースタンド看板や回転灯などのモーターは周波数によって点灯しなかったり、回転速度が変わったりします。近年はどちらにも対応する機器も増えてきましたが、電飾看板をご発注の際には周波数にお気を付け下さい。
「樹脂スタンド看板」
本体、表示面が樹脂製で、注水式のサインです。人や車がぶつかっても安全なように、主に駐車場サインとして使われております。注水すると50kgを超える商品もあり、安定感も抜群。また各種表示面がラインナップされており、届いたその日から使用できる点もご好評です。
「スキージ」
プレスタ、あるいは単に「ヘラ」とも呼びます。マーキングフィルムやインクジェット、ガラスフィルムなど、シートの貼り施工には欠かせない道具です。1枚100円程度の樹脂製の簡易型から、ローラー式のもの、ゴム製のものなど大きさ、材質、形も様々です。
弘法筆を選ばずとは言いますが、やはりTPOに合わせて道具を使い分けるのがプロです。
「スコッチ」
3M製のマーキングフィルム「スコッチカル」の略称ですが、マーキングフィルム全般をスコッチと呼ぶ人もいます。その他のメーカーのフィルムに比べかなり割高です。
「スタンド看板」
自立して移動可能なタイプの看板全般を指してスタンド看板と言います。A型看板、電飾スタンド看板、樹脂スタンド看板など多種多様な商品があり、まさに店舗の必需品です。
「た行」
「ダイノック」
3M社が発売する建材・化粧用の塩ビフィルム。木目やカーボン柄、またメタリック調など種類が豊富。一部の商品は三次曲面への施工にも対応し、カーラッピングにも使用されています。
「たっぱ」
建端と書きます。物の高さの事です。職人は「高さ」とは言わず、こういう言葉が好きです。
「タペストリ」
もともとは壁にかける飾り織物の事を指していたのですが、サイン業界では上下にパイプを付けたPOPの事です。合成紙やクロス、ターポリンなど、それぞれの風合いを生かした素材で製作できます。
「チチテープ」
語源はわかりませんがのぼりをポールに止める布製の帯の部分をチチテープと言います。
関係ありませんが、金魚すくいの網は「金魚ポイ」と言います。豆知識です。
「チャンネル文字」
立体文字の一種ですが、文字が凸型ではなく凹型になっている物をチャンネル文字と言います。板金で作られることが多く、ネオンを仕込んだものをネオンチャンネルと呼びます。
「昼光色」
蛍光灯の色味の一つですが、通常内照式看板にはこの昼光色を使用します。蛍光灯の色味も種類があり、温かみを出したい時などは電球色を使用したりします。
「ちり」
面と面を合わせた時にズレがある場合「ちりが合ってない」といった使い方をします。
「突出し看板」
主に建物の壁面から垂直方向に突き出す形状で取付けられた看板です。袖看板とも呼ばれます。大型、小型ともに電飾看板のイメージが強いですが、鋳物を使用したパブサインなど洋風の意匠の突出し看板もよく使用されます。
また、屋内でも廊下に面した部屋やトイレなどの表示に使うサインも突出しサインと呼びます。
「塔屋」
ビルの屋上部分よりさらに突き出た部分。ペントハウスとも呼びます。主に階段室やエレベーターの機械室になっています。看板を取付けるのに適しています。
「通り」
物がまっすぐに並んでいるかどうか。自立看板の場合、正面から見た水平、垂直の他に上から見てまっすぐかどうかも重要です。「通り」が出ていないと横や斜めから看板をみたときに波打って見えます。看板の横幅が大きいほど通りを出すのは難しいので、職人の技術を見るのに最適です。
「トランス」
変圧器の事です。看板用途に使用するのは主に昇圧トランスで、水銀灯やネオンサインに高圧の電気を流すために使われます。一部分が点灯していないネオンサインを街中でよく見かけますが、ネオンの故障(割れなど)ではなく、トランスが故障している場合が多いです。
「トンボ」
いろいろな意味がありますが、データ作成の際のトリムマークの事です。このマークの内側が実際に原稿として使用する部分という意味のマークです。
「な行」
「乳半」
半透明のアクリルの事をこう呼びますが、「乳白」と呼ぶ人もいるのでややこしいです。これを区別するために「骨白」という言葉が使われます。
「人工」
じんこうではなくにんくです。職人の人数を指すのに「3人工」等と言った使い方をします。また「1人工の仕事」などという場合、1人で1日かかる仕事というように作業時間を指す場合もあります。
「根巻」
自立看板の柱を立てる場合に、柱と地面が接する部分に10cm程度モルタルを盛ってある部分です。鉄骨柱などは降雨時に雨がつたい根元にたまってさびやすくなるので、根巻を盛ってそれを防止します。
「は行」
「バケット」
高所作業車のこと。主に1人から2人乗り。作業スペースの大きい作業車はデッキ、スーパーデッキなどと呼んでいます。
「ハツリ」
アスファルト舗装などに柱を立てる場合、アスファルトに穴を開けなければいけませんが、この作業がハツリです。他にもコンクリートを砕くとか色々な場合にハツリという言葉を使います。
「ピクトサイン」
正しくはピクトグラムサイン。言葉を使わずに抽象的な図形で意匠を表したサインです。トイレのマークや車いすマークなどをよく見かけると思います。「国際ピクト」というものもありますが、オリジナルのピクトサインを使って個性を出す場合も多いです。
「平看板」
特に定義はないと思いますが、だいたい900×1800が最大で、足のない(壁やフェンスに取り付ける)看板かと思います。
「プレート看板」
これも特に定義はないと思います。屋内の室名プレートから、450×600程度の看板を指すことが多いと思います。
「ファサード看板」
主に建物1階の入り口上部につける横長の看板です。コンビニなどの看板を思い描いていただければわかりやすいです。
「プライマー」
下地塗料。石膏ボードや木材にシートを貼る場合、内部から発生する気泡を防ぎ、接着力を強化するために塗布します。
「ボーダー」
これもサイン業界でしか通用しないような気がしますが、簡単に言うと横ラインのことだと思います。建物の装飾としてネオン管を横方向に設置したものをボーダーネオンと言います。
「ポールサイン」
これまたはっきりした定義はないですが、主に一本足で上部にサイン面のついた看板の事をさす場合が多いです。コンビニの看板を想像してください。道路に面して建っていることがほとんどなので、大きさはよくわからないと思いますが、よくあるサイズで高さ12m、表示面2.4×2.4mはあります。ビルの4階くらいはあります。
「ボンデ」
ボンデ鋼板。亜鉛メッキを施した鉄板。看板材料として、加工しやすいので特にチャンネル文字に使われることが多い。
「ま行」
「マーキングフィルム」
糊付きカラー塩ビシート。「カッティングシート」というのに抵抗のある人や、打合せの際の誤解を避けるため一般的に使われる言葉。
「マグネットシート」
厚さ0.6mm~1mm程度のシート状のマグネット。車両広告に使われることが多いが、近年はフルカラー印刷、型抜き加工でPOPやノベルティに使われることも多い。
「ミシン」
アクリルやカルプ、木材などを型抜きする電動糸鋸の事をミシンと呼びます。使用しているときの姿かたちがミシン掛けをするのに似ているから。だと思います。
「メディア」
サイン業界でメディアと言えば、たいていはインクジェットメディアの事を指します。「インクジェット用紙」だと紙になってしまうので、誰が呼び始めたかわかりませんが、いい表現だと思います。
「面取り」
角材などの角を斜めに落とすことです。触れた時の安全性や、面が増えることにより額縁的な意匠になるのでよく使用します。
「や行」
「ユニック」
いわゆる小型移動式クレーン。トラックの荷台に小型のクレーンが付いた車両です。建築業界をはじめモノづくりをするのには必需品。
「ら行」
「ラミネート」
普段よく目にするパウチではなく、透明で糊がついたフィルム状のものです。インクジェット出力の上から貼ることで、UVカット、汚れ防止などの効果があります。
「レベル」
水平器、水平の事。「レベル貸してくれ」と言えば水平器の事ですし、「レベルが出てない」と言えば物が水平になっていないということです。
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