インクジェットメディアとは?
「インクジェットメディア」は看板製作の上で広く使用されている印刷用のシートです。看板業界では代表的な看板材料で、必需品とも言えます。
一般的な大判インクジェットプリンタで使用するロール紙にあたるもので、看板用途では紙ではなく主に塩ビフィルムにプリントをします。
看板はPOP・販促品などと違い屋外で使用されることが多く、表示も長期間にわたることが想定されるため、紙で作られた看板では表示に耐えられないからです。
そんなロール紙にあたる、いわば「ロール塩ビ」が、看板業界では主にインクジェットメディア・塩ビシートと呼ばれているため、サインシティではロール紙も含めてインクジェットメディアとしてカテゴリーしております。
インクジェットメディアの種類
インクジェットメディアには、大きな分類として
● 溶剤用インクジェットメディア
● Latex(ラテックス)専用インクジェットメディア
● 水性用インクジェットメディア
● UV用インクジェットメディア
があります。
これらは、プリンタのインク成分によって分かれています。
Latex(ラテックス)に関しては、Latexプリンタでしかプリントできない専用のインクジェットメディアが存在します。
逆に溶剤用のインクジェットメディアの大半はLatexプリンタでもプリント可能で、溶剤・Latexどちらのインクでも使用することができます。
インクジェットメディアの適不適はプリンタの設定や条件等にも影響されるため、サンプルをお試しいただくのが1番確実ですので、ご興味ある商品は各商品ページよりサンプルをお申しつけ下さい。
※インクジェットメディアのサンプルは、下記のお問い合わせフォームやお電話でもご依頼いただけます。
■お問い合わせフォーム
■TEL:052-265-7603
インクの種類の他にも、基材、粘着材、耐候性、サイズ、用途、メーカー等の違いによって数多くの種類が存在しています。
次では、その中でも種類の多い溶剤・Latex用インクジェットメディアについてご紹介します。
溶剤・Latex用インクジェットメディアの種類
「白塩ビシート」「PET」「合成紙」「クロス」「ターポリン」「FFシート」「反射シート」「壁紙」といった素材の違い、
「透明シート」「乳白シート」「乳半シート」といった電飾・ウィンドウ用やフロア用といった用途の違いなど、
使用する場所、用途によってインクジェットメディアの種類は変える必要があります。
溶剤・Latex用インクジェットメディア カテゴリー一覧
また、同じ塩ビシートでも製造工程の違いにより使用されるシーンが変わります。
「キャスト製法」と呼ばれる製造方法で作られた比較的高価なインクジェットメディアは、伸ばした際に千切れにくく追随するため、曲面への施工、カーラッピング等に使用されます。
これに対して一般的な塩ビシートの製法は「カレンダー製法」と呼ばれ、平面の看板に広く使われています。
耐候性の種類
長期、中長期、中期、短期等のグレードを表している耐候性ですが、白塩ビシートは各メーカーから数多く販売されており、基準も様々で輸入商品も存在するため、あくまで参考指標となっています。
↓白塩ビシートの耐候性別カテゴリーの一覧↓
サインシティでは実績を重視したおすすめ商品をご提案させていただいています。
また、使用場所や用途に応じて適切なインクジェットメディアをご紹介します。
用途・素材別の種類
カーラッピング用・電飾用といった用途のほか、PET基材・クロス・ターポリンといった素材による分類をご紹介します。
【車・カーラッピング用】
カーラッピングは通常の看板用途のインクジェットメディアを使用するのではなく、高価にはなりますがキャスト製法のインクジェットメディアを使用することをおすすめします。
看板用途のインクジェットメディアでは、2次曲面、3次曲面といった曲面への追随性がなく、剥がれ等のトラブルにつながることが予想されますので、用途に応じたインクジェットメディアを使用することが重要となります。
セットで使用するラミネートフィルムに関しても同様に用途に応じたものを使用する必要があります。
【電飾用シート・ウィンドウ用シート】
電飾用シートは、電飾看板の表示面を製作する際に使用するインクジェットメディアです。
電飾看板の表示面は光を通す必要があるため、通常のグレー糊のメディアは使用することができません。半透明の乳半シート、乳白シートを使用するのが一般的ですが、アクリル板が乳半の板のため透明シートを使用される方もいらっしゃいます。
のり付きの塩ビシートを使用する場合が多いですが、差し替え用途として使用する場合には糊無しのPET素材のシートを使用します。
ウィンドウ用シートは、道路に面した店舗のガラス面などに看板・広告を表示する際に使用するインクジェットメディアです。
通常のグレー糊のメディアを使用することもできますが、光を遮るために店内が暗くなってしまいます。また、店内から見た時に糊面のグレーが気になるという声もあります。
そのため、電飾用シートと同じくグレー糊ではない乳半シート、乳白シートを使用します。透明のシートは印刷が透けるため、デザインを表現する上で白インクを搭載しているインクジェットプリンタが必須になります。
【合成紙・ポスター】
「合成紙」という名前ですが紙ではなく、PP基材、PET基材などの合成樹脂からできています。紙ではないので破れにくく、短期の屋外使用などでも使用されています。
塩ビシートは基本的に片面に糊が付いていますが、合成紙は糊なしの商品も豊富なので、ポスター用途では合成紙が使用されるのが一般的です。
ただし合成紙にも糊付き商品はありますので、お求めの際はよくご確認ください。
【クロス・ファブリック】
クロス・ファブリックといわれる布系のインクジェットメディアです。 内装材で使われるビニールクロス(壁紙)とは別のものです。
柔らかな風合いを生かしてタペストリーやバナースタンド、幕として利用されます。
また、軽量であることも大きなメリットとなっています。
【ターポリン】
ターポリンは強度・耐水性に優れた白色の塩ビ素材のシートです。
クロス・ファブリックが屋内用途で使用されるのに対し、ターポリンは屋外用途として屋外バナー、横断幕などに使用されます。
透けを防ぐ遮光ターポリン、風の影響を軽減するメッシュターポリンなどもございます。
【FFシート インクジェット用】
FFシートは大型の電飾用看板を継ぎ目なしで製作する際に使用します。
アクリル板では継ぎ目ができてしまう大判サイズでも、FFシートであれば長さ方向の制限は解消することができます。
FFシートにはインクジェット用とMF(マーキングフィルム)用があるため、お求めの際は注意が必要です。
【反射シート インクジェット用】
反射シートは夜間の視認性の良さを特徴としたインクジェットメディアです。
シート自体が発光するのではなく、外部からの光を反射させることで視認性を上げる仕組みで、標識、ステッカー、野立て看板、スタンド看板、駐車場看板などに使用されます。
一般的な反射シートと高輝度反射シートがあり、工事用看板などで使用されるものは高輝度反射シートが多く、亀甲柄となっています。
インクジェット用とMF(マーキングフィルム)用があるため注意が必要です。
【メタリックシート】
メタリックシートは、金、銀、ヘアラインなどの金属の色味を表現したい時に使用するインクジェットメディアです。
ステッカー、シールなどでの利用が多く、屋外用のメディアは塩ビシート、屋内用のメディアはPET素材となっています。
インクジェット用とMF(マーキングフィルム)用があるため注意が必要です。
【壁紙・壁紙用シート】
オリジナル壁紙を作る際に使用するインクジェットメディアです。粘着剤は付いていないのが基本です。
粘着剤付きのものは「壁紙用シート」として、壁紙の上から貼ることができるシートという区分けとなっております。
粘着剤の種類(強粘着・易施工・再剥離)
インクジェットメディアの中で糊付きのシート(シールの状態)に関しては、粘着剤の種類がありますので紹介します。
■一般粘着(強粘着)
剥がれないことを想定した「強粘着」が通常の粘着となります。
■易施工
エアフリー、エアーレス、マトリクス糊と呼ばれる空気を逃がす粘着剤です。
■再剥離
短期間であれば、下地に対してのり残りが少なく、剥がしやすい粘着剤です。
■再剥離+易施工
再剥離と易施工の機能を合わせ持つ粘着剤です。
その他にも弱粘着、微粘着、吸着、白糊、透明糊などの種類があります。
明確な基準がないため、同じような機能でもメーカーによって呼び名が異なる場合もございます。
インクジェットメディア 取扱いメーカー
サインシティでは様々なインクジェットメディアメーカーの商材を扱っておりますが、未掲載の商品もあります。
ボリュームディスカウントも可能ですのでご希望のインクジェットメディアがございましたら、ぜひお気軽にお問合せくださいませ!
↓取扱いメーカーの一覧↓
水性用インクジェットメディア・大判プリンターロール紙の種類
水性用インクジェットメディアは、EPSON、CANON、HPなどの水性インクを使用した大判インクジェトプリンタ向けのロール紙です。
メーカー純正品にはないような素材、規格サイズ、お値打ち品がございます。
コート紙、フォト紙、合成紙、和紙、PETフィルム、白塩ビシート、クロス(布)、ポンジ、ターポリンなどの種類があります。
- コート紙:ポスター用途などで使用する一般的な用紙です。薄手、厚手の種類がありますのでお好みに合わせて選ぶことができます。
- フォト紙:写真など画像を綺麗に印刷するのに適しています。光沢、半光沢、マットの種類があり、メーカーによっても光沢感は違いがありますのでサンプルでの確認をおすすめします。
- 合成紙:紙ではなく樹脂フィルム素材のため、破れにくく耐久性があります。合成紙には糊付きと糊なしがあり用途で選択することができます。
- クロス(布地):ポスター、タペストリー、バナー用途などで使用します。ポスター用途では、学会ポスター印刷などの使用に向いており、紙とは違って折れ目がつきにくく破れにくいため、保管や持ち運び、繰り返しの利用に適しています。セーレン商事のフリーカットクロスは、ポリエステル生地のほつれ防止対策がしてあるためヒートカッターを使う必要がなく、はさみやカッターナイフで仕上げることができるので生産性の効率もあがります。
↓水性用インクジェットメディア・大判プリンターロール紙のカテゴリーの一覧↓
メーカー
ラミネートフィルムについて
インクジェットメディアとセットで使用される看板材料にラミネートフィルムがあります。
一般的にラミネートと言うと両面のパウチラミを想像される方が多いと思いますが、看板業界では片面のラミネートフィルムを使用します。
プリントされたインクジェットメディアの表面保護のためにラミネートフィルムを貼るイメージです。
「ラミネータ」というラミネート専用のサインシステムにてインクジェットメディアとラミネートフィルムを貼り合わせていきます。
ラミネートフィルムも種類が豊富ですが、素材はインクジェットメディア同様に塩ビフィルムのものが多く使われています。
ラミネートフィルムを屋外看板へ使用する際は、キズから表示面を守る目的とは別に、紫外線から表示面を守るという目的があります。
そのため「UV機能付きラミネートフィルム」や「UVカット付きラミネートフィルム」と呼ばれているものを使用する必要があります。
これらのフィルムには紫外線吸収剤と呼ばれる薬剤が練りこまれており、その機能はUVカットの言葉から連想される紫外線を跳ね返すイメージではなく、一旦吸収して放出するイメージが適切なようです。
その他にもホワイトボード用ラミネートフィルム、フロア用ラミネートフィルム、蓄光ラミネートフィルム等、かわった用途のものや、インクジェットメディア同様に耐候性別にも多くの種類があるので、用途に合わせて使用する必要があります。
ラミネートフィルムの種類
看板を屋外で使用するにはラミネートフィルムは必須です。
長期、中長期、中期、短期等のグレードを表している耐候性は、インクジェットメディア同様にあくまで参考指標となっています。
↓ラミネートフィルムの耐候性別カテゴリーの一覧↓
↓ラミネートフィルムの用途別カテゴリーの一覧↓
用途別ラミネートフィルム
【ラッピング用キャストラミネートフィルム】
カーラッピング用途でキャスト製のインクジェットメディアを使用する際は、必ずラミネートフィルムもキャスト製を選ぶ必要があります。
高価なため、インクジェットメディアだけキャスト製にするという話を聞くことがありますが、間違った使い方です。必ずラミネートフィルムもセットで使うことで効果が出ますので、用途に応じたものを使用してください。
【ホワイトボード用ラミネートフィルム】
ホワイトボード用ラミネートフィルムは、PET素材のフィルムにホワイトボード用のコーティングをすることで透明性、耐傷つき性、筆記性の効果を出しています。
書き消しをすることが目的のフィルムのため、基本的には平滑性のあるグロスの表面です。
塩ビフィルムと違い柔軟性のないPETフィルムのため、巻き込みの作業は不向きです。
【フロア用ラミネートフィルム】
フロア用ラミネートフィルムは、床のスペースを利用して広告や啓発などを掲示する場合に使用します。
床面はその上を歩行されることが前提なので、摩耗性、防滑性などが必要です。
グロス、マットの表面仕様がありますが、マットが一般的となっています。
【マウント用ラミネートフィルム】
マウント用ラミネートフィルムは、粘着のついていないポスター(合成紙)を屋内から屋外にむけて掲示する際に使用します。
両面粘着のラミネートフィルムの片側を印刷物に貼り、もう一方は窓ガラスに貼ることで掲示が可能となります。
片面(印刷物側)は強粘着で、もう一方(窓面)は再剥離のタイプもあります。
【アンダーフィルム】
ラミネータにてラミネートフィルムをかける際に使用します。
ローラーにラミネートフィルムの粘着が貼り付くのを防ぐための使い捨てのフィルムです。
PP素材とPET素材がありますが、PP素材のアンダーフィルムの方が帯電性が少ないです。
ラミネートフィルム 取扱いメーカー
サインシティでは様々なラミネートフィルムメーカーの商材を扱っておりますが、未掲載の商品もあります。
ボリュームディスカウントも可能ですので、お探しのラミネートフィルムがございましたら、ぜひお気軽にお問合せください。
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